南魚沼産コシヒカリについて
お米のブランド名です。「南魚沼産コシヒカリ(みなみうおぬまさんこしひかり)」又は「南魚沼コシヒカリ」と記載される場合が多いが、どちらも正しく同じ意味で、日本の新潟県南魚沼市で収穫されるコシヒカリ品種のお米と言う意味です。「こしひかり」とひらがなを使うケースもありますが、2005年以前は品種登録に使われているカタカナが正式でした。しかし、品種改良で品種名が「コシヒカリBL」となっても「コシヒカリ」と通常表記している為、現在は通称となっており「コシヒカリ」が正しいとは言えません。また、あえて「コシヒカリBL」を「こしひかり」と表記し「コシヒカリ」との区別する場合もあります。弊社は一時期コシヒカリとコシヒカリBLの両方を収穫していた為、コシヒカリBLだけの収穫となった現在も「南魚沼こしひかり」と表記しております。(以前は国からの出資による品種改良を行った場合はカタカナ名、県からの出資による品種改良を行った場合はひらがな名が通例でしたが、昨今はひらがなの方が流行の様です。)
ところで、日本のお米は世界一美味しいと評価されておりますが、その中でも南魚沼産コシヒカリが最も美味しいと評価されており、日本が誇る世界一のお米です。環境条件がコシヒカリの最適生育条件に近く農業技術も生産農家の栽培技術向上により、日本穀物検定協会の米食味ランキングでは1989年(平成元年)より連続して「特A」認定と国内最高評価の良質米であり、明治時代以降は天皇家ご用達です。
●栽培地域
日本の新潟県南魚沼市で栽培しております。越後山脈にある御酒でも有名な八海山の西側に位置し、西高東低の冬型の気圧配置となると豪雪となります(上記写真参照)。その積雪が雪解け水となり、水量豊富な稲作最適栽培地帯となります。2005年以前は塩沢町が南魚沼市ではなかった為、「塩沢産コシヒカリ」等の表記を使用する場合が現在もありますが、塩沢町が南魚沼市に編入後は塩沢産も南魚沼産と表記する場合も増えております。弊社は南魚沼市大崎と塩沢で生産したお米を販売しておりますが、両生産地共に南魚沼産と表記しています。
●面積と収穫量
2009年の南魚沼市の水稲収穫量は、作付面積が4,730ha、収穫量が25,000t、耕作面積が6,050ha、本地が5,640haです。日本全国の収穫量が8,815,000tである為、その約0.3%であり非常に希少な米です。しかし、最高級ブランド米の生産地であるが故に、自由米や農協の買取価格が効果であり、未だに販売農家数が4,729戸、専業農家数が342戸あり、大規模農家が育たない地域でもあります。
●環境条件
<気候>越後平野は、対馬海流の影響で冷害がなく日本海側気候のため、夏季に晴天日が多く日照時間が長いため登熟は良いがフェーン現象が出穂期にあると、登熟障害になる。魚沼は、盆地のため気温の日較差が大きくイネの消耗が少ないため澱粉の蓄積条件が良く大粒の良質米ができる。登熟期間の平均気温はコシヒカリの最適登熟気温(24℃)に近い地域のため、食味に関係する澱粉のアミロース含有率が低くなり粘りが増す。 <水量・水質>豪雪地帯のため、水量豊富で水質の良い冷水が夏の時期にも田んぼに入る用水は、透明度と溶存酸素値が高く、窒素燐酸などの有機物の汚染が少ない。 <土壌>火山灰土・黒ボク土が広く分布して下層にはレキ層が点在、姥沢川・登川・魚野川・破間川・信濃川の河岸段丘や扇状地に広がる沖積土壌のため、土壌窒素供給力が小さく生育初期の養分供給が少ないため生育過剰が抑制されるのでコシヒカリの栽培に適している。
●栽培条件
コシヒカリの弱点である、耐倒伏性・いもち病抵抗性に対応した栽培技術では耐倒伏性の欠点は、多肥栽培でなく肥料を抑制するため食味向上になり、いもち病対策としては「コシヒカリBL」に更新して抵抗性があるため、低農薬栽培になっている。魚沼地域の栽培区分(難易度別)魚沼コシヒカリ自然栽培・自然農法(無農薬・無肥料栽培)魚沼コシヒカリ無農薬有機栽培魚沼コシヒカリ減農薬栽培魚沼コシヒカリ慣行栽培(農薬・化学肥料栽培)
●品質条件
目標収量・構成要素収量(510kg/10a)、穂数(360本/㎡)、登熟歩合(90%)、千粒重(22.0g)記帳生産履歴(栽培管理状況、肥料の商品名・施肥量、農薬の商品名・散布量)新施肥体系:有機物由来の窒素成分30%(魚沼ロマン有機30)新病虫害防除・除草剤体系:化学合成農薬30%減化(13成分回数)種子新潟県種子協会から供給され、100%種子更新したコシヒカリBL(指定採種ほ産種子)温湯消毒(60℃10分間)平成22年度より、JAしおざわで実施。整粒歩合85%以上(ライスグレーダーの網目を1.85mm)検査格付登録検査機関で受検(2等以上)米食味値蛋白質含有率6.0%以下(水分15%時)2009年度産集荷より、魚沼みなみ農業協同組合では全量検査を実施(2008年度産約8,400tの蛋白質含有率平均5.8%)
●最高級米
一般的に下表の順位で、美味であり高級とされている。これに加え、農薬・化学肥料を減らした特別栽培や、天日干しをすることにより志向の美味さを実現した米を、最高級米と表現する。明治時代以降は天皇家も最高級米である南魚沼産コシヒカリを御用達しており、かつ日本穀物検定協会の米食味ランキングでは1989年(平成元年)より24年連続「特A」認定されている。
産地 | 品種 | |
1. | 日本 新潟県 南魚沼産 | コシヒカリ |
2. | 日本 新潟県 魚沼産 | コシヒカリ |
3. | 日本 新潟県産 | コシヒカリ |
4. | 日本 他県産 | コシヒカリ |
5. | 日本産 | 他品種 |
6. | 海外産 | 他品種 |
●用語説明
・一等米(いっとうまい)/一等級米(いっとうきゅうまい)
品位等検査には、農産物の種類及び銘柄、量目、荷造り及び包装並びに品位が含まれます。品位は、1等級・2等級・3等級・規格外の区別があり、政府買入れ価格はそれぞれの等級によって異なります。米穀検査結果は、各地方農政局農政事務所より検査数量及び品質概況などが、水稲うるち玄米・水稲もち玄米・醸造用玄米・陸稲うるち玄米・陸稲もち玄米の種類別および品種別に公表されています。1等級不合格となる主な理由には、心白米や腹白米、胴割米、着色粒の混入、あるいは含有水分の過多などがあります。弊社で生産された米は公的検査を受けると共に、長年の経験を生かした独自の選別を行い、厳選された最高級米をお客様にお届けしております。
・特別栽培米(とくべつさいばいまい)
特別栽培農産物(とくべつさいばいのうさんぶつ)とは、2001年に農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に従って生産された、化学合成農薬および化学肥料の窒素成分を慣行レベルの5割以上削減して生産した農産物のことです。対象農産物は国産・輸入を問わず、野菜、果実、穀類、豆類、茶等であり、米については特に特別栽培米と呼ばれています。弊社では健康とコストのバランスを取り農薬5割減、化学肥料5割減で生産しております。
・天日干し(てんぴぼし)
天日干しとは、太陽の光で乾かした米のことで、科学的根拠はありませが、機械乾燥と比べアミノ酸と糖の含量が高く、食味値が高いといと言われております。
その反面、短所は機械乾燥と比べ乾燥後も水分量が高く良質な保管ができないことです。弊社では天日干しと機械乾燥の長所を取り、収穫後に天日干しを行い食味値を高めた後、機械乾燥を行っております。良質な保管が可能なため、安全で美味しいお米をお客様に提供することが可能です。
●精米種類
弊社では高精度センサー内蔵の精米機を使用しているため、白米部分を削ることを最小限にしております。また、白米は研ぎ洗いの仕方でばらつきが出て美味しい味がでない可能性がありますので、ばらつきが少なく美味しい味がでる無洗米を推奨しております。
・玄米(げんまい)
玄米とは、稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を除去した状態で、また精白されていない状態の米です。
・白米(はくまい)
白米とは、玄米を精米(精白、搗精)した米のことで、精米(せいまい)、精白米(せいはくまい)とも言われます。
・無洗米(むせんまい)
無洗米は、研ぎ洗いすることなく水を加えて炊くだけで食べられるように加工された米のことです。従来の精白では少し残ってしまう肌糠(ぬか)をあらかじめ取り去ってある為、この糠を洗い落とすための研ぎ洗い作業の必要がありません。
●収穫時期
・新米(しんまい)
弊社では早場米や二毛作等は存在しない為、新米と呼ばれる米はその年の9月から10月に刈り取られた米を指します。
●推奨炊飯器
シャープ株式会社様にて販売しておりますKS-PX10Aを推奨いたします。下記サイトをご参考ください。
http://www.sharp.co.jp/ricecooker/products/kspx10a.html
通常のご家庭におきましては、お米を研ぎすぎてしまい(洗米しすぎてしまい)、お米の旨味を流してしまう事例が大変多く見受けられます。加えて、南魚沼産コシヒカリは他品種に比べ種皮が薄い為、軽い洗米をお奨めしております。つきましては、上記推奨炊飯器をご購入いただき、「かいてんユニット」による洗米をご利用いただく事を紹介させていただきます。
●推奨料理
南魚沼産コシヒカリは旨味が強くもっちりとした触感のご飯となります。その為、チャーハンやピラフ、カレーといったパラバラした触感を求められる料理や、調味料の味が濃くご飯の旨味が消されてしまう料理には合いません。
・おにぎりや御弁当のご飯
炊き立てのご飯の味は、他品種または他生産地のお米でもある程度美味しい味が出る事や、人間の舌が熱を感じ味への感度が下がる為、、違いをあまり実感できません。時間が経ち冷えてくるとその差を歴然と感じて頂けますので、上記料理を推奨させて頂きました。コンクール等では炊き立てのご飯を使用しますが、生産者同士の腕比べは、冷えたおにぎりで行うことが多いです。南魚沼産コシヒカリで是非お試しください。
・日本料理/懐石料理
日本の伝統料理は食材の旨味を最大限に発揮させる事に重きを置き、調味料の味を抑えております。その為、お米の旨味が強くないとバランスが取れない料理です。日本を代表するお米であり、最も旨味が強い南魚沼産コシヒカリ以上に日本料理/懐石料理とマリアージュ(単独で食べるよりも、一緒に食べた方が各々の良さが最高に引き出される)するお米はありません。是非、ご家庭やレストラン等でお試しください。
●炊飯に適した水
南魚沼市で栽培されたお米である為、その成分はお米に多大な影響を与えております。南魚沼市近郊の100mlあたりの水成分は下記の様な値です。
エネルギー: 0[kcal]
たんぱく質・脂質・炭水化物: 0[g/L]
ナトリウム: 0.28~5.6[mg/L]
カルシウム: 0.15~4.5[mg/L]
マグネシウム: 0.08~1.0[mg/L]
カリウム: 0.04~0.4[mg/L]
pH: 6.4~6.5, 硬度: (軟水)7~16[mg/L]
この値に近い水にて炊飯される事をお勧めいたします。
表現方法や歴史観に相違があれば、検討の上修正又は削除いたしますので問い合せください。